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[2010年12月14日]
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小さな絵の物語36〜40 絵と文、桑原健一 |
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夢のつづき 36 建設
赤土と灰と乾燥した草を水で練り合わせ、炭を敷いた床に盛り付けていった ケンは木コテで伸ばすと父が左官コテで仕上た。母は父のことをショーンと呼んでいたが近所の人は岡ちゃんと呼んだ どこから見ても人類、東洋人だった 次にパイプを立てた、ベンダーと言う工具で自由にまげて形を造った 接続や固定は専用のボンドがあった、このフレームに壁や窓をつけるドーム形建築だった 父(岡ちゃん)は離れたところにある道具も宙に浮かせ引き寄せた、物体を宙に浮かせ瞬間に移動させる能力があった ケンは尊敬していた、母はいつも宙に浮いていた記憶がある、飛行人だったのかもしれない |
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夢のつづき 37 建材
ショーンとケンはカベドンというシートをパイプに糊を付けて貼る ロールと平板タイプがある、柔らかいが貼って手でこすると固まる クリアー、フロスト、サンドの3タイプで着色はサンドに限定される クリアはガラスのような仕上がりで自由な形になる、フロストは落ち着いた雰囲気だ 通常は屋根、壁や柱用に使い分けする 気になる値段だが平板で1枚が税込み¥29,800円 ロールは割安 1枚5ミリの厚さで貼り重ねることで一体モノになり強度は計り知れない、元々医療用に開発されたが作業性や強度に優れているため需要が増えた 透明でも通気性能があり防水、断熱、遮音に優れ、採光にも自然色で成形自在で再生も可能という、もっと素材的な変化を望むのであれば木材や金属、繊維、セラミックなどとのアレンジも科学反応なく接合も可能でアレルギーなど人体に与える影響も悪い報告がない 家全体が呼吸する素材なので窓や換気扇の必要がない 暖炉や薪ストーブ設置のプランにもお勧めで夢の建材 |
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夢のつづき 38 カベドン作品例
カベドンは手でこすると熱を発して柔軟に変形させることができる ショーンはケンに施主様工事の証として記念に手形や足型を入れるように薦めた カベドン(クリア)は3種類の中でも一番造形に向いている、手をモゴモゴさせてカベに押し付けるとやがて熱くなって手の形ができる、温度が最高まで上がった瞬間に素早く抜くと出来上がり 注意することは温度が下がると急速に硬化して手が抜けなくなる事故が多い、しかしタイミングさえ間違わなければ子供でも心配はない、 1階のほぼ中央に緑の暖炉がある居間でフロストとクリアのカベドン仕上げが草原に柔らかく浮かび上がる、土間は時間や季節とともに成長して子供達を見守る 吹抜けを通じて2階へと進む、そこには隠された、初めて体験する、劇的な匠の技に、、、 |
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夢のつづき 39 間取り
4人家族の暖炉のある住宅、セルフビルドで設計図はない しかし間取りはこんな感じ、1階リビングで食事をする、2階は寝室 空からの出入りが多い母の要望で屋上が発着場で玄関が設けられた 玄関に入ってタテに設備が伴う部屋を並べてリビングと寝室のバイパス通路になっている 玄関から降りると 洗面室 トイレ 風呂シャワールーム 脱衣場 洗濯室 家事室 キッチンが一番下でリビングにつながっている
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夢のつづき 40 母
母の名前はヤスリ、友達にはいじめられそうで言わなかった いつも黒いベールを身にまとっていた ケンは母と草原を散歩するのが好きだった、手をツナイデ水溜りがあると宙に飛んだ、ヤスリはいつも空中に浮いて歩かなかった 妹のアケーはお乳に吸い付いたまま浮遊していた (ケン)ヤスリにどうして飛んでいるのと聞いてみた (ヤスリ)わたしの生まれた国では飛ぶのよ、私のお母さん(おばあちゃん)も派手に飛ぶわ、トルネードで (ケン)魔女の国で生まれたの? (ヤスリ)同じ地球で生まれたのよ環境や習慣の違いね、ケンも練習して飛びなさい おじいちゃんは戦争でなくなったけど空の勇者で落とされた爆弾を何万個も空の彼方へ運んだ英雄なのよ、、、つづく
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