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徳島薪ストーブクラブ
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[2010年12月15日] 
小さな絵の物語31〜35     絵と文、桑原健一
夢のつづき 31 トルネード対決

(ケン)頭がボーとしてきたけど、そんなに悪い者には見えないが
(ドリー)定期的に降りてきて私たちを襲う、やつら死んでも形がなくなるまで飛びつづけるの、脳ミソを食べられても生きて飛ぶの 見つかれば私は食べられる ケンは誘い込まれて未来の脳ミソを抜かれて死神の手先で一生浮遊の人生よ 
(ケン)しかし、あんなに高いところから自由に舞い降りてくる死神から逃げようとしても無理だ 
ケンは決心した、戦うしかない、
大の字回転飛行の垂直尾翼から、ドリーを肩に乗せた武道フリースタイル飛行に変えた、つま先で大きく弧を描きトルネードを発生させた、そして死神の群れに向って真っ直ぐ飛んだ 
ケンのトルネードは以前に比較してパワーアップしていて半径5mの高速の渦がケンの回りで発生して更に大きく上空へ舞いあがっていた 群れの中に突入したケンはトルネードで死神達を次々巻き込んだ、弱い者は直ぐに舞い飛んだが強い死神はトルネードの中に入ろうと手や足を入れてきたが、蹴りや拳で防いだ 3時間に及ぶ死闘の末、残った4体の死神の頭が、舞い上げてもヤツラはまた帰ってくるぞ、ソロソロ遊びは終わりだなと言って、ケンのトルネードの回りで反対方向に唸りながら回転し始めた、黒い渦が逆回転して大きく回りケンのトルネードに迫ってきた、、、
 
夢のつづき 32 脱出

黒い渦が反対方向に回ってケンの渦をつぶそうとする、ぶつかり合うとイナズマが発生して地上に落ちる 死神の力は強いケンは体の内部の逆流を更に強めた 地上からたくさんの木の葉を巻き上げ美しいトルネードが空高く昇った
ケンは空中で止まり神経を集中させ黒い渦を広げるように両手でトルネードを可能な限り広げ我慢した、木の葉のトルネードが地上1万メートルに達したとき、横方向のパワーを垂直に転換した、瞬間ものすごいスピードでトルネードの中を上昇を始めた、そのパワーはハヤテの高速飛行スタイルを彷彿させるものだった、、、
 
夢のつづき 33 山の上

黒い渦も後を追って上昇してくるが、すでに上空まで形成された落ち葉のトルネードの中を高速で一万メートルまで上昇するケンに追いつくことは出来なかった、手や足、垂直尾翼もブルブルする生まれて始めてのスピードに声も出せないケンだが、高い山の頂上を越えたのだ 氷河があって不思議ではないのだが一面に緑の草の大草原 草の種類は子供の頃、草ゾりで滑ったカンノミ玉のようだ
草原に近づくとドリーが降りて食べてみた、初めての味だと言う、、、
 
夢のつづき 34 記憶

高い山の高原は起伏もある、浅い川も流れている深さ20センチほどで湧き出している、雲の流れは物凄く速い ケンはゆっくり草原を記憶を取り戻すかのように飛んだ、どこかで見た風景 小さい頃の思い出の風景だろうか そして草原でランラン燃える暖炉を見つけた、これは父が作った暖炉だ、記憶がよみがえってきた
ここで暮らすことに決めたと父が草原に暖炉を作った、母は煮込み料理には向いていないわと笑った、最初はテントだったが、家族でここに小さな家を建てた、父は力が強く石や木材を運んだ、僕は釘を打った、母は飛んでいた、小さい妹がお乳を吸っていた、ハヤテが高い空を飛んでいた、次々記憶がよみがえってきた、、、

 
夢のつづき 35 暖炉のある家

草原の暖炉の前でケンは少しずつ記憶を取り戻しはじめた、父が草原に家を建てようと言い出し、最初にケンと父が2人でテントを張った、草原へは何かの乗り物で来たがハッキリしない 草原には暖炉がすでに完成していて家を建てるために草を刈り、土を少し掘った 父が大きな木を運んで炭を作り出した、何日も何日もケンは出来た炭を丁寧に敷きこんだ
(ケン)どうしてこんなことをするのかと聞く
(父)父ちょっと前まで流行したからと答えた
(ケン)明日は何をするの?
(父)乾いた草と土と灰を混ぜて敷くんだ
(ケン)硬くなるの?家が強くなる?
(父)そこにあるから使うだけだよ
(ケン)この暖炉は煙が出ないけど、どうなっているの?煙突もないし
(父)今はケンにも家族にも言えない、きっと解かる日が来るから
 
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