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[2010年12月16日] 
小さな絵の物語26〜30     絵と文、桑原健一
夢のつづき 26 飛ぶ

カー君と有意義な1日が過ごせた、まさしく生きる力だ 2億カラスのこれからの出来事に幸多かれ、願うケンだった 都市を離れ岩場や雑草の生い茂る荒野を飛ぶ 一本の若葉を見つけた 地上に降りた ホッとした 大地に力強く根を張っている ケンはしばらく身を休めた、、、
これから目の前にそびえる高い山を越えなければならない、、、 
 
夢のつづき 27 歩いてみる

若葉のそばで一休みしたケンは少しだが記憶を取り戻し始めた 人類の町で暮らして庭には柿木が実をつけていた記憶が頭をヨギルがハッキリ浮かんでこない、自分は飛べるので人類ではない、一体何者なのだろう鳥獣、恐竜人だろうか、ナゼ一人なのか疑問が沸いてきた 人類なら高い山も歩いて登るだろうと思い、ケンもしばらく歩いてみる
2時間ぐらい歩いて山を登ったところに青々とシゲッタ草原に出た、バッタや蝶も飛んでいた しばらく歩いていると草を食べている黒い浮遊するラグビーボール大の生物を発見 近寄ってみると間違いなく草食系のグリーンボールだった
人懐っこく近づいてきてケンの顔をなめたり、背中やお尻もなめてきた、突然1匹がケンの肉の垂直尾翼の先端に吸い付いた、痛いぐらい気持ちが良く その場にうずくまってしまって,もっとビックリ、草原は骸骨の丘だった、早く飛んで上昇しなければ、このままでは吸い殺される、、、
 
夢のつづき 28 開き直り

グリーンボールは草食の食肉用に小型で宙に浮くように改良された牛 草食系との先入観で安心していたことが、今回のピンチを招いた グリーンボールは唾液で溶かして肉や体液も吸うようだ、10頭の群れで暮らす怖い生物だったのだ
ケンの両足の指先、お尻、ペニス、左右の手、頭の先、左右の耳はもう吸い付かれ舐められている 口や鼻は窒息するので最後に回すようだ
離そうとすると噛み付いて離さない、ジットしていると舐めて咥えてくる、妙に気持ちがいいのでシマツがワルイ このままだと溶かされるのを待つだけだ
振り向けば予備軍も待機、草原に大群だ  
ケンは開き直り仰向けになって自然体で受け入れた グリーンボールは通常2m程度を浮遊飛行している生物なのでケンの体は宙に上がった、、、  
 
夢のつづき 29 回転

10頭のグリーンボールに咥えられ舐め続けられ地上2mを浮遊するケン 飛ぶことも離すことも出来ない、仰向けになったまま回転させることが出来たので遠心力で離そうと考え徐々に回転を上げていった 耳に吸い付かれているので千切れそうになる、グリーンボールも益々勢力的に舐めてきて、足や手のひらは全て咥え込まれ溶かされる 頭の先に吸い付いた1頭は口が大きくカブリ付いてくる お尻やヘソの周辺の2頭の動きが不気味だ、ペニスに吸い付いたグリーンボールが根元に達したとき、もうダメだと思ったケンの体の内部がドクドクと激しく流動し始め、肉棒の垂直尾翼がその形を現し始めた瞬間、なんと体が飛行を始めたのだ 垂直尾翼を中心に回転しながら上昇100mほどの高度に達したときグリーンボールはアキラメテ落ちて行った【高所では活動できない低空生物】ケンはそのまま回転しながら大きな落ち葉のトルネードを形成して上昇、高い山の頂上を目指した、、、        

 
夢のつづき 30 高い空

仰向けで大の字になって垂直尾翼をビンと起て、回転上昇をつづけるケンはナゼ飛べるのか考えた、どうも手足をバタつかせたり体の重心移動などが問題ではなく、体の内部での運動量が浮力を生みだし飛行を可能にするようだ、ケンの細胞や筋肉、骨の中を何かがグルグル循環している感じだ、激しく回ればスピードも出るが消耗も大きいようだ
飛行高度が5000m以上に達したが山のまだ中腹ぐらい、その時ケンの垂直尾翼にまだ1匹グリーンボールが刺さっているのに気が付いた ハズシテ落とそうとすると突然話し出した
(ドリー)怖いわ、こんな高い所から落として、殺す気なの
(ケン)君はどうして話せるの?オスなのメスなの?
(ドリー)性別などナイ、みんな私をドリーと呼ぶわ、カラスのカー君とも国際生き物リーダー研修で友達でカーク、ドリーと呼びあう仲だわ
(ケン)志士か、でも、咥えて舐めて溶かして殺そうとしたのはドリーのほうじゃないか
(ドリー)私はリーダーで、あの場合はチームプレイなので仕方がない、それにケンが飛べたのは私の力よ
(ケン)これ以上、僕の大事なところを溶かさないでくれ
(ドリー)心配ないわ、中和剤を出すから 患部に塗れば溶解の進行はオサマルから
(ケン)有難う、でも君はずっとそこにツカマッテいるつもり?
(ドリー)仕方がない、あなたが裸で他に安心してツカマル凸部がない、あとは滑るでしょ、まだここが一番マシなだけ
2人で話をしながら飛んでいるといつの間にか高度も上がった、その時上空から話し声が聞こえ誰かが呼んでいるような気がした、鳥のような人のような集団が近づいて来る
(ケン)仲間が迎えに来てくれたのかな お父さんやお母さんだろうか、僕をよんでいるよ
(ドリー)違うわ、死神の集団よ 危ないわ、未来を吸い取られるわ、、、

 
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