|
| [2010年12月19日]
|
 |
| 小さな絵の物語１１〜１５ 絵と文、桑原健一 |
|
夢のつづき １１ 夜間飛行
ハヤテに守られて飛んでいると安心して飛行を試せる、かなり上達した 子供が自転車に乗るように最初はナカナカでも走り出すとスイスイ、体が覚えているようだ
突然ハヤテが急な用事で行かねばならないと言う、赤い門までは一晩飛び続けて明日の昼前に着くだろう幸運を祈ると去って行った すでに高度も高い位置を飛行中で障害物は少ないと思うが、心配性のケンは足から伸びた落ち葉のトルネードを体の前、ツマリ進む方向にバリアのように広げた これにより障害物を事前にキャッチして素早く体を入れ替えることが可能になった ケンは自ら起した風の変化で回りの状況を判断できるワザを身につけたようだ |
| |
夢のつづき １２ 石の門
ハヤテの言うように昼ごろ赤い門に着いた ケンは闇の国から抜け出した、門の向こうは赤い池が広がっている 驚いたのは門は万里の長城のような城壁ではなく、石が集まって連なって構成されている、そしてその大きな岩石は海の上の氷河のように空中に浮いているである
ケンが闇の世界から見た赤い門は浮かぶ石の城壁の隙間だったのだ 急に割れて離れたり接近したり、移動したりする浮かぶ石の上は危険で落ちたり挟まれたりする 突然足元にも亀裂が走ったのでケンは飛んだ 連続飛行で疲れた体を癒すかのように浮遊して上昇してみると彼方に高い山が見えた 山に風を感じてケンは、ゆっくり飛び始めた |
| |
夢のつづき １３ 赤い大地
赤い池がひろがる赤い台地と言う表現でいいのだろうか 上空から、再度石の門を観察すると 徳島でいうなら眉山、香川の屋島や讃岐富士クラスの山が宙に浮いてツナガッタ動く山脈のようだ
ケンは上空で考えた【なぜ山や岩石が飛ぶのか】地殻変動だろうか。インセキや彗星も飛ぶ、山や岩石が飛んでも不思議ではない進化すれば石も飛ぶのだろうか 例えば、草や木は大地から養分を受けるが、山や石は大地から養分を受ける必要がない 逆に森を形成したり豊かな水を提供する役割があるのではないか、庭の小石や川の中の石を裏返せば解る様に、小さな生き物の居住空間というか住家となるケースが多い と言うことは、この石の門の下には進化した巨大生物がうごめいていると思うとケンは更に飛行高度を急上昇
現実に山を境にして赤い大地と闇の世界が存在する 山の存在が環境に影響を与えるのは当然だが、だれかが山を動かしたと仮定するなら強靭なパワーの主とその理由を探る必要があるのだろう |
| |
夢のつづき １４ カラフル
赤い大地を越え、遠くの高い山まで飛び立つ決心をしたケンは少しづつ宙に浮かぶことが自然に出来る様になっていた、両手を広げた瞬間上半身が浮かび上がった、下半身との連携がまだ不自然なところがあるが、後は実戦で鍛えるしかない
Ｈ君のように魔法学校に通えない、空を飛ぶホウキもない、友達や彼女も欲しいが出会いが少ない旅だ、回りの自然や動物などから独学で飛行を学ばなければならない ケンにとっては飛ばなければ死を意味するのだ
高度を３０ｍほどで手足を少し広げた飛行スタイル、足の先からは渦は確認できない 天気は晴れ、風もおだやかで気温は２３度 不気味なほど静かな赤い大地にサボテンのようなカラフルな植物が立っている １０ｍぐらいの高さで一面に生えている 襲ってくる気配はない
|
| |
夢のつづき １５ 危機迫る
体に負担の少ない省エネ自然体でユッタリ飛行するケンに少し不安が出てきた 台地にはカラフルな植物が繁栄しているが小さな蛾や蜂は時々見かけるが動物の姿が少ない 先ほどカラスが飛び越して行った切り、、、
突然遠くの行く手に赤い塔が見えてきた 赤い大地に一面にそびえている 慎重に近づく、低いものもあるが１５０ｍクラスのビルが立ち並ぶような光景 しばらく下から順番に観察しているとザワザワ音がしている、風で揺れているようだ 中間ぐらいの高さまで上昇すると突然先端がケンめがけて傾いてきた 必死で逃げた
食虫食肉植物だ、テレビの探検物や冒険映画では良く出てくる、たぶんこの形から想像すると先端の花の中に誘き寄せる魅惑的な匂いのメシベがあって、周りのオシベが２０ｍぐらい伸びて逃げる獲物を捕まえ引きずり込みメシベに噛ませ砕いて食べて残った残骸は花の底に溜まった溶液で分解されるのだろう 怖い、、、
高さ１５０ｍで直径は先端の花の部分はで２０ｍはあり根元はセラミックのようなつやがあり硬く徐々に耐震素材を混入した胴体部分に先端はピンクのポリカーボネイトのような透明感があり素材的には薄い |
| |
|
